「先生、読書感想文ってどう書けばいいん?」
春夏冬と長期休みの前後に、よく聞かれるのが上記の質問です。

長期休みはどうしても作文、しかも読書感想文を書く課題が出されることが多いですよね。しかし、その書き方を教わることはありません。手本も示さずにただ書けというのは小、中学生にはいささか酷というものではないでしょうか。そのようなわけで、以前の塾でブログに書いたものを少し訂正して載せたいと思います。

まず読書感想文がどういうものかについて書きたいと思います。一般的に感想文を書こうとすると、読んだ本のあらすじみたいになってしまう人が多いですよね。

例えば、
ぼくがこの本で印象に残ったシーンは栄太が志位子を怒鳴りつけた場面です。その場面というのは志位子は体を震わせて、こぼれ落ちる涙を堪えている。その姿にぼくは栄太に対しての深い怒りを覚えた。頭が真っ白になって、気がつくと栄太は床に倒れていた。ぼくが殴りつけたのだ。
このシーンを読んで、ぼくは栄太もひどいが、主人公のぼくもひどいと思いました。
次にぼくが印象に残ったシーンは…

とまあ、このような具合ですね。
我ながらひどい文章ですが、小・中学生の実際の感想文もこんなものです。だからといって彼らをせめる気にはなりません。なぜなら彼らはまず感想文がどのようなものであるか教えてもらっていません。そもそも感想文が何を書くかを知らないままだから、いくら書いても上達などしません。毎年同じことを繰り返すだけです。
では読書感想文とは一体何を書けばいいのでしょうか。
読書感想文は本の話をしないといけないと思っている人がいるが、それは間違いです。

実は「本の話」ではなく、「自分の話」をしなければならないのです。

読書感想文とは本と出会って変わった自分のことを書くものなのです。