今回、「読解力について」大分合同新聞様に取材を受けたわけですが、紙面の都合上、省かれた部分が多くあります。数回にわたって書いていくつもりです。

まず「そもそも国語力とは何なのか」についてお伝えしたいと思います。

前提として、私が常々お伝えしているのはものすごく小さい範囲での「国語力」です。

それはあくまでも現在の中学入試、高校入試、大学入試で求められている「国語力」であることをご了承いただければ幸いです。

その上で国語力とは何かといえば、

文章を読み、文章を書く力

です。

それを少し細かく分類すると

読解力と文章表現力に分けられます。

今回の記事で私は「読解力」について

読む力と解く力

だと答えました。

私の中では国語力の中に読解力が含まれているイメージです。

入試で求められる国語力はほとんど読解力と同じものです。文章表現力までいくと、小説や随筆・コラムを書くのに必要な文章で表現するための力になります。

一方、学校で行われている「国語」という教科の本質は「文学」であり、「道徳教育」に他なりません。

文学とは何かについてはまたあらためて書きたいと思いますが、作者の心情を考えさせたり、文学史を覚えさせたり、作品や作者について様々な知識や解釈を授業で伝えています。

さらにそこには学校の先生の主観的な解釈も入ってきます。

実際には文章から客観的に読み取れない部分まで入っているため、例えば授業を受けていない人が学校のテストを受けると満点をとることは難しいでしょう。

どちらかといえば、学校で先生が書いた「板書」や「プリント」を暗記する教科と言えます。(あくまでも学校のテストがということです。)

しかし、入試で問われる国語はそうではなく、客観的に読み取れると判断できる範囲での読みと、問われたことに関する解答が求められています。

ある意味ではすごく狭い範囲での「国語力」を点数として計測しているわけです。

ここに学校教育である「国語」と入試で問われる「国語」とのギャップが生じています。

次回に続きます。