大分県公立高校入試2024年度国語(小説)の解説

こんにちは。個別指導LOGIQUE大分校の小野です。

今回は大分県公立高校入試2024年度国語の小説を解説します。

2024年度は国語の平均点が低かったため、国語が苦手だと感じている人は一度解いてみてからこの解説を見てみてください。

目次

2024年度・小説

濱野京子「シタマチ・レイクサイド・ロード」より

問1 心情把握

傍線部①のときの「希和子」の気持ちを選ぶ問題。

傍線部より前では友人の「菜月」がバレーに打ち込んでいる様子が描かれており、傍線部より後では「菜月」の現状と、そんな「菜月」と自分との間に感じる差が描かれています。

※菜月は心の中に熱い魂がある⇒意気込みが私とは雲泥の差だ。

この流れがきちんと読み取れているかが重要です。

傍線部では「胸の中がざわついた」とあります。上記の流れと傍線部の表現から、少なくともポジティブな感情ではないことがわかります。
例えば選択肢のイ(~あこがれている。)や、エ(~興奮している。)などはすぐに除外出来て欲しいです。

残るアとウのどちらかとなりますが、希和子は菜月と自分を比べて雲泥の差を感じたからこそ胸の中がざわついているということがきちんと理解できていれば、ウは不適とわかります。

よって答えは「ア」。

問2 発言内容の把握

文芸部の後輩である「絵茉」「梨津」の発言を<場面X>中の言葉を使って、5字以上10字以内で書く問題。

ここで国語が苦手という人は勝手に文章を作ってしまうか、物語を自分なりの解釈で捉えてしまいがちです。
「<場面X>中の言葉を使って」という指示があるので、自分なりの解釈や言葉は求められていないということを理解しましょう。このような問題においては説明の足りない部分を補う程度にしておいて、自分の言葉を使いすぎないことを意識してください。

絵茉と梨津との発言に注目すると、「なぜ先輩は小説を書かないのか。」「物語のタネはどこにでも転がっている。」「物語の一つや二つ誰でも作れる。」といったような内容になっています。

結局この2人は「物語を書くのは簡単なんだから誰でも作れますよ。」ということを主張しています。

答えはいくつか考えられますが、上記の主張に一番近いのは梨津の「物語の一つや二つ、だれでも作れますよ。~」の部分。

よって答えは「物語は簡単に作れる(9文字)」などになります。

ここで考えられそうな誤答として「それぞれ個性がある」があげられます。これは主体が誰であるかということが理解できていないため起こる誤答です。それぞれ個性があると感じたのは希和子であるが、問題文では「絵茉と梨津は~」となっているので、どちらの目線からの答えが求められているのかということは常に意識して欲しいです。「問題文をちゃんと読んでなかったなあ。」だけで終わらせると同じミスをまたしてしまうので、間違えた問題は特にどうして間違えたのかを理論的に説明できるようにすることが重要です。

問3 構成メモ

(1)かつての「希和子」が(場面X中の10字)を欲している。何を欲しているのかを見つける問題。

希和子が何かを欲している、または願望を述べているような箇所を見つけることを意識しましょう。

「一筋に打ち込めるものなんて~せめてこれがわたしのやることなのだと、実感できるものがあったなら…。」

ここが見つけられるはず。「自分のやるべきこと」「自分のやりたいこと」のようなニュアンスの言葉が答えになりそうだということがわかります。10字ぴったりでそのような言葉を探すと答えが見つかるはずです。

答えは「一筋に打ちこめるもの」。

(2)今回書いたエッセイを通して、(場面Y中の言葉を用いて35字~40字)であると自信を持てるようになった。という問題。

希和子は後輩に声をかけられてもなお物語が思いつかない想像力にかけた人間だと場面Xの最後で自分を卑下しています。

場面Yでは、選んだ本の舞台に自分が知る風景を重ねるというエッセイのの手法を取ることで、「見聞きしたものを、言葉にしていくことが楽しかった。」と感じています。また、「去年のエッセイでは感じることがなかった充実感」を感じてもいます。無から作りだす物語ではないですが、これが自分なりの表現だと堂々と口にできそうと書かれています。

つまり、自分の知る風景が舞台となった本を取り上げてそこから文章を練ることが希和子に合った表現ということです。これを本文中の言葉を用いて字数以内に収めましょう。

答えは「取り上げた本の舞台に自分が知る風景を重ね、自分の文書を練ることが己にとっての表現」などになります。

(3)これは「双括型」の意味を知っていれば迷わず答えのエにたどり着けますが、わからなかったとしてどのように判断すべきかを解説します。

まずアですが、構成メモは途中希和子の心情をまとめている部分があるなど、Sさんの気持ちを時系列にまとめていないことは自明なので不適。

次にイですが、構成メモの最後に希和子の言葉は引用していないので不適。

最後にウですが、構成メモ全体を通してSさんのまっすぐな感情(読んでほしい、読んでもらいたいなど)で書かれており、言い回しを工夫しているとまでは言えないため不適。

消去法的にエとなります。ちなみに「双括型」とは、文章の最初と最後に同じ主張を述べるようなものです。「結・起・承・転・結」などとビジネスで用いられるプレゼン手法がありますがまさしくこれが双括型です。

問4 本文中の表現

問題文をきちんと読むクセは身につけておきましょう。適当でないものを選ぶ問題です。

ア.佳緒の発言に「ぼそっと」とついていたり、希和子の「ずきっと」という表現が使われていたりするのが本文から読み取れます。

イ.後輩たちとの会話文の間に具体的な説明(曖昧な笑みなど)が挟まれています。またこの会話を通して物語を書くことのできない自分を見つめて「想像力に欠けた人間」と卑下しています。

ウ.本文は希和子が語り手であり、場面Yのエッセイは希和子の書いたものです。

エ.本文を読むと、それぞれの登場人物の発言の前後でその人物の様子が描かれていることがわかります。

よって答えは「ウ」

<小説(大問2) 総評>
今回は問1と問3の(1)以外は判断が難しく、その2つしか得点できなかったという人も多かったのではないでしょうか。

特に「小説は自分の想像力が模範解答とどれだけ近いか」が問われると勘違いしている人にとってはとても難しいものになっており、平均点からもそのような傾向がうかがえます。

小説は本文中に書いてあることからいかに正確に心情や状況を読み取れるかということが基本です。一朝一夕に身に付く力ではないからこそ早めに対策しておきましょう。

さいごに

どうだったでしょうか?


「やっぱり小説は登場人物が何考えているかを想像できないから苦手だ」となっていませんか?

しかし上の解説でもわかるように、本文の中に答えは必ずあります。解説の中で、私なりの解釈を使って答えを出している部分はなかったですよね?

つまり、練習さえすれば誰でも出来るようになるということです。

今回は高校入試でしたが、大学入試でももちろん小説は出題されます。そして小説は想像力を試すものではありません。書いてあることからのみ正確に読み取る力を試すものです。

そこを勘違いしたまま国語に苦手意識を持ち続けて欲しくないと考えています。

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この記事を書いた人

小野のアバター 小野 LOGIQUE認定パートナー講師

小学生の頃から戸高が勤務する塾で学び、国語力を土台に着実に学力を伸ばす。別府の進学校を経て高知大学へ進学。卒業後は大分県内の市役所に勤務し、実務経験を積んだのち、子どもたちの学びに直接関わりたいという思いから、現在はLOGIQUE大分校にて指導を担当している。

自身が「文章を正しく読み、筋道立てて考え、自分の言葉で表現する力」を身につけることで学びが変わる経験をしてきたからこそ、生徒にも答えだけを教えるのではなく、納得しながら理解できる指導を大切にしている。落ち着いた人柄で、一人ひとりに丁寧に向き合うことを心掛けている。

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