紫式部宇治拾遺物語の「ちごのそら寝」を予習しなきゃ。
明日テストなんだけど、現代語訳がわからないところがある…
そんな方はこのページを見れば「ちごのそら寝」についてしっかり理解できます。
✅ 本記事の内容
・「ちごのそら寝」本文と現代語訳
・「ちごのそら寝」の解説と品詞分解
・「ちごのそら寝」テストに出るポイント
✅ 本記事の信頼性
このページの記事は国語専門塾の講師陣が内容を監修しています。
基本的には高校で習う文法・知識を元に現代語訳や解説をしています。
文法や現代語訳などで学校の先生の解説とは解釈が異なる部分もあります。
学校の授業ではすべての品詞について解説してくれなかったり、すべての文に現代語訳をしてくれなかったり、抜けがあります。学校の予習復習やテスト対策のために本記事をぜひ活用してください。
「児(ちご)のそら寝」本文と現代語訳
第1段落「児(ちご)は僧たちがぼた餅を作ろうという言葉を聞いてあることを思いつく」
これも今は昔、比叡の山に児(ちご)ありけり。
これも今は昔のことだが、比叡山に児(ちご)がいた。
僧たち、宵ひのつれづれに、「いざ、かいもちせむ。」と言いけるを、この児心寄せに聞きけり。
僧たちは宵に何もすることがなく、「さあ、ぼた餅を作ろう。」と言ったのを、この児が期待して聞いた。
さりとて、しいださむを持ちて寝ざらむもわろかりなむと思ひて、片方に寄りて、寝たる由にて、いで来るを待ちけるに、すでにしいだしたるさまにて、ひしめきあひたり。
そうだと言って、できあがるのを待って寝ないでいるのもよくないだろうと思って、(児が)片隅に寄って、寝ているふりをして、できあがるのを待っていたところ、もうできあがったらしく、(僧たちが)大勢で騒ぎ立てあっている。
第2段落「児(ちご)は寝たふりを続けるが…」
この児、さだめておどろかさむずらむと、待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ。」と言ふを、うれしとは思へども、ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、今一声呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、
この児は、きっと起こしてくれるだろうと思って待ち構えていると、僧が、「もしもし、起きてくださいませ。」と言うのを、ありがたいと思うけれども、ただ一度で返事をしようとするのも、待っていたのかと思っては困ると思って、もう一度呼ばれてから返事をしようと、我慢して寝ている(ふりを続けている)と、
「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は、寝入りたまひにけり。」と言ふ声のしければ、あなわびしと思ひて、今一度起こせかしと、思ひ寝に聞けば、 ひしひしとただ食ひに食ふ音のしければ、ずちなくて、無期ののちに、「えい。」といらへたりければ、僧たち笑ふこと限りなし。
「いや、お起こししてはいけない。幼い人は、ぐっすりと寝入りなさってしまった。」という声がしたので、ああ困ったと思って、もう一度起こしてよと、思い寝ながら聞くと、むしゃむしゃと、ただひたすら食べる音がしたので、どうしようもなくて、久しく時間が経ったあとに、「はい。」と返事をしたので、僧たちはこの上なく笑った。
「児(ちご)のそら寝」の品詞分解と重要語句の解説
品詞分解
これ/も/今/は/昔/、比叡/の/山/に/児(ちご)/あり/けり。
・これ:名詞
・も:係助詞
・今:名詞
・は:係助詞
・昔:名詞
・比叡:名詞
・の:格助詞
・山:名詞
・に:格助詞
・児:名詞
・あり:ラ行変格活用動詞「あり」の連用形
・けり:過去の助動詞「けり」の終止形
僧たち/、宵ひ/の/つれづれ/に、/「いざ/、かいもち/せ/む。/」と/言い/ける/を/、こ/の/児/心寄せ/に/聞き/けり。
・僧たち:名詞+接尾語「たち」
・宵ひ:名詞
・の:格助詞
・つれづれ:名詞
・に:格助詞
・いざ:感動詞
・かいもち:名詞
・せ:サ行変格活用動詞「す」の未然形
・む:意思の助動詞「む」の終止形
・と:格助詞
・言ひ:ハ行四段活用動詞「言ふ」の連用形
・ける:過去の助動詞「けり」の連体形
・を:格助詞
・こ:代名詞
・の:格助詞
・児:名詞
・心寄せ:名詞
・に:格助詞
・聞き:カ行四段活用動詞「聞く」の連用形
・けり:過去の助動詞「けり」の終止形
さりとて/、しいださ/む/を/持ち/て/寝/ざら/む/も/わろかり/なむ/と/思ひ/て/、片方/に/寄り/て/、寝/たる/由/にて/、いで来る/を/待ち/ける/に/、すでに/しいだし/たる/さま/にて/、ひしめきあひ/たり。
・さりとて:接続詞
・しいださ:サ行四段活用「しいだす」の未然形
・む:推量の助動詞「む」の連体形
・を:格助詞
・待ち:タ行四段活用「待つ」の連用形
・て:接続助詞
・寝:ナ行下二段活用「寝(ぬ)」の未然形
・ざら:打消の助動詞「ず」の未然形
・む:婉曲の助動詞「む」の連体形
・も:係助詞
・わろかり:形容詞ク活用「わろし」の連用形
・な:強意の助動詞「ぬ」の未然形
・む:推量の助動詞「む」の終止形
・と:格助詞
・思ひ:ハ行四段活用動詞「思ふ」の連用形
・て:接続助詞
・片方(かたかた):名詞
・に:格助詞
・寄り:ラ行四段活用動詞「寄る」の連用形
・て:接続助詞
・寝:ナ行下二段動詞「寝(ぬ)」の連用形
・たる:完了の助動詞「たり」の連体形
・由(よし):名詞
・にて:格助詞
・いで来る:カ行変格活用動詞「いで来」の連体形
・を:格助詞
・待ち:タ行四段活用動詞「待つ」の連用形
・ける:過去の助動詞「けり」の連体形
・に:接続助詞
・すでに:副詞
・しいだし:サ行四段活用動詞「しいだす」の連用形
・たる:完了の助動詞「たり」の連体形
・さま:名詞
・にて:格助詞
・ひしめきあひ:ハ行四段活用動詞「ひしめきあふ」の連用形
・たり:完了の助動詞「たり」の終止形
こ/の/児/、さだめて/おどろかさ/むず/らむ/と/、待ちゐ/たる/に/、僧/の/、「もの申し/さぶらは/む/。おどろか/せ/たまへ。」/と/言ふ/を/、うれし/と/は/思へ/ども/、ただ/一度/に/いらへ/む/も/、待ち/ける/か/と/も/ぞ/思ふ/と/て/、今/一声/呼ば/れ/て/いらへ/む/と/、念じ/て/寝/たる/ほど/に/、
・こ:代名詞
・の:格助詞
・児:名詞
・さだめて:副詞
・おどろかさ:サ行四段活用動詞「おどろかす」の未然形
・むず:推量の助動詞「むず」の終止形
・む:現在推量の助動詞「らむ」の終止形
・と:格助詞
・待ちゐ:ワ行上一段活用動詞「待ちゐる」の連用形
・たる:完了の助動詞「たり」の連体形
・に:接続助詞
・僧:名詞
・の:格助詞
・もの申し:サ行四段活用動詞「もの申す」の連用形
・さぶらは:ハ行四段活用動詞「さぶらふ」の未然形
・む:意思の助動詞「む」の終止形
・おどろか:カ行四段活用動詞「おどろく」の未然形
・せ:尊敬の助動詞「す」の連用形
・たまへ:ハ行四段活用動詞「たまふ」の命令形
・と:格助詞
・言ふ:ハ行四段活用動詞「言ふ」の連体形
・を:格助詞
・うれし:形容詞シク活用「うれし」の終止形
・と:格助詞
・は:係助詞
・思へ:ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形
・ども:接続助詞
・ただ:副詞
・一度:名詞
・に:格助詞
・いらへ:ハ行下二段活用動詞「いらふ」の未然形
・む:婉曲の助動詞「む」の連体形
・も:係助詞
・待ち:タ行四段活用動詞「待つ」の連用形
・ける:過去の助動詞「けり」の連体形
・か:係助詞
・と:格助詞
・も:係助詞
・ぞ:係助詞
・思ふ:ハ行四段活用動詞「思ふ」の連体形
・と:格助詞
・て:接続助詞
・今:名詞
・一声:名詞
・呼ば:バ行四段活用動詞「呼ぶ」の未然形
・れ:受身の助動詞「る」の連用形
・て:接続助詞
・いらへ:ハ行下二段活用動詞「いらふ」の未然形
・む:意思の助動詞「む」の終止形
・と:格助詞
・念じ:サ行変格活用動詞「念ず」の連用形
・て:接続助詞
・寝:ナ行下二段活用動詞「寝」の連用形
・たる:完了の助動詞「たり」の連体形
・ほど:名詞
・に:格助詞
「や/、な/起こし/たてまつり/そ/。幼き/人/は/、寝入り/たまひ/に/けり/。」と/言ふ/声/の/し/けれ/ば/、あな/わびし/と/思ひ/て/、今/一度/起こせ/かし/と/、思ひ寝/に/聞け/ば/、 ひしひしと/ただ/食ひ/に/食ふ/音/の/し/けれ/ば/、ずちなく/て/、無期/の/のち/に/、「えい。/」と/いらへ/たり/けれ/ば/、僧たち/笑ふ/こと/限りなし。
や:感動詞
な:副詞
起こし:サ行四段活用動詞「起こす」の連用形
たてまつり:ラ行四段活用動詞「たてまつる」の連用形
そ:終助詞
幼き:形容詞ク活用「幼し」の連体形
人:名詞
は:係助詞
寝入り:ラ行四段活用動詞「寝入る」の連用形
たまひ:ハ行四段活用動詞「たまふ」の連用形
に:完了の助動詞「ぬ」の連用形
けり:過去の助動詞「けり」の終止形
と:格助詞
言ふ:ハ行四段活用動詞「言ふ」の連体形
声:名詞
の:格助詞
し:サ行変格活用動詞「す」の連用形
けれ:過去の助動詞「けり」の已然形
ば:接続助詞
あな:感動詞
わびし:形容詞シク活用「わびし」の終止形
と:格助詞
思ひ:ハ行四段活用動詞「思ふ」の連用形
て:接続助詞
今:名詞
一度:名詞
起こせ:サ行四段活用動詞「起こす」の命令形
かし:終助詞
と:格助詞
思ひ寝:名詞
に:格助詞
聞け:カ行四段活用動詞「聞く」の已然形
ば:接続助詞
ひしひしと:副詞
ただ:副詞
食ひ:ハ行四段活用動詞「食ふ」の連用形
に:接続助詞
食ふハ行四段活用動詞「食ふ」の連体形
音:名詞
の:格助詞
し:サ行変格活用動詞「す」の連用形
けれ:過去の助動詞「けり」の已然形
ば:接続助詞
ずちなく:形容詞ク活用「ずちなし」の連用形
て:接続助詞
無期:名詞
の:格助詞
のち:名詞
に:格助詞
えい:感動詞
と:格助詞
いらへ:ハ行下二段活用動詞「いらふ」の連用形
たり:完了の助動詞「たり」の連用形
けれ:過去の助動詞「けり」の已然形
ば:接続助詞
僧たち:名詞+接尾語「たち」
笑ふ:ハ行四段活用動詞「笑ふ」の連体形
こと:名詞
限りなし:形容詞ク活用「限りなし」の終止形
「児(ちご)のそら寝」まとめ・テストに出るポイント
出典
■宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)
ジャンル:説話集
成立:鎌倉時代初期
民間に伝承された説話をまとめたもので編者は不明。
学校の定期テストに出るポイント
『児(ちご)のそら寝』は高校の最初の方に出てきます。
ポイントは動詞の活用と活用の種類です。
品詞分解の特に動詞の活用の種類と活用形を判断できるようにしておきましょう。
良く問われる点は
・なぜ児は一度目に起こされたときに起きなかったのか?
・なぜ僧たちは最後みんなで笑ったのか?
現代語訳からその答えを作れるようにしておきましょう。










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