保護者の皆様へ
個別指導塾LOGIQUE代表の戸高です。
模試や過去問の採点結果が返ってきたときに国語の記述問題の解答欄が真っ白のままだったり、数文字だけ書いて諦めてしまっていたりするお子様の姿を見て、ため息をついてしまった経験はありませんか。
どうしてうちの子はこんなに記述が書けないのだろう、やはり原稿用紙に文章を書くような表現力や文章力がないからではないか、と悩まれる保護者様は非常に多いです。しかし、最初にお伝えしたいのは記述問題が書けないのは、お子様に文章力がないからでは決してないということです。
今回は、記述問題の白紙を前にして立ち尽くしてしまう原因を突き詰め、誰でも確実に解答欄を埋められるようになる、パーツの組み立てという画期的な解法について詳しく解説します。
記述が書けないのは文章力がないからではないという事実
記述問題の解答欄を白紙で出してしまうお子様の話を聞くと、みんな異口同音に「何を書けばいいのか分からなかった」と言います。この言葉のなかに実は記述が苦手な原因のすべてが隠されています。
多くの方は記述問題の対策として長い文章を書く練習をさせたり、表現力を磨くための作文指導を行ったりしようとします。しかしこれは原因に対して間違った薬を処方しているようなものです。なぜなら、書けない原因は、文章を書く技術(アウトプット)の不足ではなく、書くべき内容を本文から見つけ出す技術(インプット)の不足にあるからです。
記述問題の解答欄が白紙になってしまう本当の理由は文章力がないからではなく、問いに対して必要な要素が本文のどこにあるかが見つかっていないからです。材料がないのに料理を作ろうとしても作れないのと同じで、書くべき内容という材料が手元に揃っていないから一行も書き始めることができないのです。
逆を言えば必要な要素さえ本文から正しく見つけ出し、手元に並べることができれば文章力に関係なく、記述問題の解答は自動的に完成します。
記述は作文ではなく情報の取捨選択と再構築という作業である
国語の記述問題を自分の頭のなかにある素晴らしい意見や感想を述べる作文のようなものだと勘違いしている受験生は非常に多いです。学校の宿題で出る読書感想文などのイメージが強いせいか、記述問題になると急に本文から目を離して自分流の立派な言葉をひねり出そうとしてしまいます。試験時間が足りなくなってしまうのはそのせいもあります。
しかし、実のところ入試国語における記述問題の本質は作文とは真逆のところにあります。記述問題の本質とは情報の取捨選択と再構築というきわめてシステマチックな作業に他なりません。
入試の作問者は受験生に自由な作文を求めているわけではありません。本文のなかに明確に用意された正解の根拠を設問の要求に合わせて正しく選び取り、制限文字数内に収まるように組み立て直す能力を測っているのです。
したがって記述問題を攻略するために必要なのは芸術的な文才ではなく、目の前にある本文から必要なパーツを拾い集める宝探しのような作業手順です。この手順を身につければ、どんなに記述が苦手なお子様であっても白紙を恐れる必要はなくなります。
白紙を埋めるための3つのパーツ、結論、理由、補足
では、具体的に本文のどこからどのような材料を集めればよいのでしょうか。LOGIQUEが指導しているあらゆる記述問題を解剖するための3つのパーツについてお話しします。
問いに対して、本文のどこに答えの種があるかを探し出すとき、私たちは常に、結論、理由、補足という3つの視点を持って本文をスキャンします。この3つのパーツが揃うことで、難関校の厳しい採点基準をクリアできる得点密度の高い答案が完成します。
最初のパーツは結論です。これは設問に対する直接的な答えになる部分です。例えば主人公はどのような気持ちですかと問われているなら、悲しい気持ちや悔しい気持ちといった最も核心となる一言が結論にあたります。まずはこのゴールの柱を本文中から特定します。
二番目のパーツは理由です。なぜその結論に至ったのかという因果関係を説明する部分です。主人公が悲しい気持ちになったのは、大切にしていた宝物を失ったからというきっかけとなった出来事や背景がこれに該当します。この理由のパーツがない答案は説得力を欠き大幅な減点の対象となります。
三番目のパーツは補足です。結論や理由の肉付けとなる部分であり、難関校の記述問題で部分点をしっかりともぎ取るために不可欠な要素です。ここは結論と理由に加えるべき情報、例えば、主語やただ宝物を失っただけでなく、それが長年苦労して手に入れたものだったというような状況をより具体化する情報が補足にあたります。
記述問題に取り組む際にいきなり文章を書き始めるのではなく、まずはこの結論、理由、補足の3つの種を本文中から指さし確認で探し出し、メモ用紙に箇条書きで抜き出す。この準備作業こそが白紙を確実に埋めるための最大の秘訣です。
集めたパーツをパズルのようにつなげる技術
手元に結論、理由、補足の3つのパーツが揃ったら、あとはそれらを設定された文字数や文末表現に合わせてつなげるだけです。この段階になればもう悩む必要はありません。集めたピースを枠にはめ込んでいくパズルのような作業が始まります。
日本語の記述における標準的な組み立ての型は補足的な背景を前に置き、次に具体的な理由を繋げ、最後に直接的な結論で締めくくるという構成です。
たとえば長年苦労して手に入れた大切な宝物を失ってしまい、自分の不甲斐なさを激しく悔やんでいる気持ち、というように集めた3つのパーツを接続詞や助詞(てにをは)で補強しながら一本の線につなぎ合わせます。
このとき、自分のオリジナルの言葉で無理に言い換える必要はありません。本文にある表現をそのまま活用し、パーツの継ぎ目だけを自然な日本語に調整する。これだけで採点官が最も求めている客観的で論理的な模範解答が完成します。
白紙で出してしまう子は、このつなげる作業を頭のなかだけで同時にやろうとするから混乱するのです。本文からパーツを抜き出す作業とそれらをつなぎ合わせる作業を完全に切り分けること。このプロセスの分離が、記述のハードルを劇的に下げてくれます。
100字要約がもたらす記述の自動化
ここまでお話ししてきた情報の取捨選択と再構築という作業を、最も効率的に、かつ高いレベルで習得するためのトレーニング方法が私たちが推奨している100字要約です。
100字要約とは長い文章のなかからまさに結論、理由、補足にあたる重要要素だけを抜き出し、100字という制限内にまとめる究極のパーツ組み立て訓練です。
日頃から100字要約に取り組んでいるお子様は、記述問題を見た瞬間に、脳が自動的に結論、理由、補足の3つのパーツを探し始めます。文章全体の構造が見えているため、どの部分が記述のパーツとして使えるのかがまるで光って見えるかのように瞬時に判断できるようになるのです。
記述問題が書けないと悩んでいる時間をパーツを探す作業の時間に変えること。この意識改革こそが、難関中学の国語を攻略するための最大の武器となります。
合格への第一歩、LOGIQUEからのご提案
国語の記述問題は、決してセンスや生まれ持った表現力の試験ではありません。正しい手順を知り、正しいパーツの組み立て方を練習すれば、誰でも満点に近い答案を作ることができるようになります。
個別指導LOGIQUEではお子様が記述の白紙に対する恐怖心を克服し、国語を得意科目に変えるための特別な機会をご用意しております。
大分校で5月末から6月にかけて多くの方が苦手としている小説問題の記述に特化した短期講座を開催します。
詳細は以下をご確認ください。
参考文献
文部科学省、中学校学習指導要領国語編
https://www.mext.go.jp/
国立教育政策研究所、評価規準の作成、評価方法の工夫改善のための参考資料
https://www.nier.go.jp/
灘中学校、入試情報ページ URL
https://www.nada.ac.jp/exam.html
甲陽学院中学校、入試情報ページ
https://www.koyo.ac.jp/
