お久しぶりのブログになります。

ちょっとブログを休んでいる間に世界はとんでもないことになっています。ウクライナ戦争、パレスチナ問題、西欧諸国の右傾化、徐々に世界は分断されつつあり、日本は政治は乱れ、格差は広がり、経済的にも落ち込み、先進国から脱落しようとしています。良い大学に入り、良い会社に就職するというモデルは終身雇用制度があってのことで、多くの人はこれから1つの会社に定年まで勤めるということはなくなるでしょう。

年金制度の崩壊もあって40代前半の私ですら年金をもらえるのか不安に思うわけですから、今の若い人たちにとってはあまり明るい材料がないですよね。子どもたちはそんな世界でどうやって生き抜いていくのか。私は大きく2つの力が必要であると考えます。

①自分の考えを明確にし、他者との対話を通してブラッシュアップする力。


実際に社会に出てみると、自分だけで判断すると自分が思いつかなかった問題が起こって、対処できなくなることがあります。そのため、他者と対話し、より良い方法を見出していく必要があるわけです。

その前提条件として、自分の考えを自身で整理して表現できるようにすることが大切になのですが、生徒たちに小論文の指導をしていると、「自分の考え自体がない」ということに気づかされます。成績が優秀な生徒でも世の中のことにあまり関心がなく、ニュースも深堀りしないで聞いたことがある程度で、そのことについて考えるということがないと彼らは言います。

はたして「自分の考え」はどこから生まれるのか。私が考えるに、それは「知識」からです。正確に言えば、「先人の知識や哲学」から、ということになるでしょう。

しかし、多くの人は忙しく、「先人の知識や哲学」を手に入れようとはしません。読書や映画鑑賞などを趣味としない限り、そのきっかけがないからです。最近だとYouTubeなどの動画がその役割を果たしているのかもしれませんが、見ている動画を分析されて似たような動画が並んでしまいますし、多くの動画はポジショントークが多く、偏った意見ばかりを耳にしてしまうのは危険です。世の中は情報であふれかえっており、誰もが自分に都合が良いように情報発信をしています。このブログもそうです。誰もが自分にとって都合の良いように自分の意見を述べています。

最近は、何を言っているかより、誰が言っているかの方が重視されるようになってきました。YouTubeも長い動画はだんだん見られなくなり、TikTokやYouTubeショートの短い動画で切り抜かれた情報のみで判断するようになると、さらに偏ってしまい、おかしな方向にエスカレートしています。

それを防ぐには様々な視点から語られる意見を読んでいくことが必要です。さらにそれを他人と語り合うことで自分の意見をブラッシュアップさせていく必要があります。

②AIにはできない仕事ができること、その正否を疑い、判断する力

2つ目は「ものごとの正否を疑い、判断する力」です。

AIが劇的に進歩してきて、とうとうホワイトカラーの仕事(事務やクリエイティブな作業である執筆やイラスト)までも奪われつつあります。その中でAIができないことは、AIに命令を出すこと、そして、AIが出した結果に対してそれが正しいかどうかを判断すること、最終決定を下すことです。

実際にネットには事実ではないことがあふれかえっています。それは現実世界に近づいてきたということでもあります。ネットで調べたことが本当に正しいのか、それを判断することはAIにはできません。ですが、作業はできます。そのスピードは人間の及ぶところではありません。

しかし、その作業の命令を出すのはあくまでも人間の仕事です。AIを使いこなす、AIと共存できるかどうか、それがこれからの時代に必要な力となるでしょう。

AIが最も苦手とするもの=読解力

AIは書かれていることが正しいかどうかを判断する力がありません。それっぽいことはできますが、実際に人間が作業したように見えるだけです。命令することと判断・決定は人間がすることになります。

日本の教育が目指しているものは共通テストを見ていても作業スピードの速さ=処理速度が速いことを目的としているかのように見えます。しかし、それはAIが最も強い分野とも言えます。このままでは良くないのは明らかです。

本当はもっと問題の量を減らしてじっくり読ませて、考えさせる方が大事なのですが、それはどちらかというと2次試験や推薦入試で図るようにしてしまっています。本当はそこを共通テストで目指していましたが、複数回受験案や記述がなくなって、頓挫してしまいました。

結果、今の入試は半分の生徒が共通テスト前に推薦入試で合格することを目指すようになりました。

それもある意味では当然と言えるでしょう。しかし、推薦入試はまた単純な学力とは別の力が必要です。それが上で述べた「2つの力」だと感じています。だから、私としてはこの塾を創ったときから願っている「小学生から高校までしっかりと読解力を身につける」ことを進めていきます。そして、その力で自分に必要なものを学習していくということが大事です。

これからはますます「国語の力」が必要になります。ぜひ早いうちに身につけてほしいです。

今年は2月以降入塾希望の新規の塾生を5名ほど募集します。

希望の方はぜひ体験授業にお申込みください。