大問2 現代文‐小説
出典:野上弥生子「秋の一日」
<小問分析>
問1 語句の意味
基本的に語句の意味に関しては辞書的な意味が解答となるが、
今回はやや難しく間違えやすそうな語句が多かった。
「生一本」は文脈判断すると5の強情を選ぶ可能性があるが
実際は「まじりっけのない、純粋な」という意味である。
例年並み
問2 傍線部説明問題
これはかなり迷った人も多いのではないか。
直前の「それが可い。展覧会は込むだろうから朝早くに出掛けて、
すんだら上野から何処か静かな田舎に行く事にしよう」
を受けているので、その記述がポイントとなる。
田舎へ行くことに触れているのは4と5のみ。
5の子どもは退屈するのではないかとためらっていた
という部分が本文にはないので4となる。
やや難。
問3 傍線部説明問題
ここが現代文で最も難しい問題だった。
「この微笑」が何によって起こったか
傍線部の直前の内容を押さえることができれば
5しかないが、受験生には要求が厳しく難しいだろう。
かなりの難問。
問4 傍線部説明問題
傍線部の「追懐に封じられている」の意味が
分からないと正解にたどり着くのは難しい。
追懐とは過去のことを思い出すことで、
封じられているとは抜け出せないことだ。
その点に触れているのは2しかない。
やや難。
問5 心情把握問題
傍線部の心情ではなく全体的な主人公の心情を押さえる問題。
今回は解くのに時間がかかる問題が目立つ。
高校生には時間的に厳しいが、1つずつ本文と
照らし合わせて間違いを探して、
消去法で解くのが一番だろう。
難しくないが時間がかかるので、
やや難。
問6 表現の正誤問題
「適当でないもの」を選ぶ時点で間違える可能性があるので注意が必要。
これも1つずつみていけば2つ選べるはずだ。
古典→評論→小説で解いた人は時間が足りなかったかもしれない。
これも難しくはないが時間的に厳しい。
やや難。
<大問2概観>
こちらも評論と同じく去年と比べると明らかに難化している。
問2・3・4・5は下手をすると全滅してしまう可能性がある。
かなりの精読を要求されているので、時間的に厳しいだろう。
満点を取るためには記述問題の解き方にも慣れておくことが必要で、
センター試験の国語は少なくとも1年前から対策をするべきだといえる。