2026度の大分県公立高校入試の国語の解説です。
特に新中3の皆さんは、一度自分で解いてみたあとに復習してください。
雑感
複数の資料を組み合わせて解く問題が目立つ。指示に従って資料をあちこち見ているあいだに混乱することのないよう、常に問われていることを念頭に置いて解き進めていきたい。
文章自体はそこまで難しいものがあるわけではないが、重要な部分を押さえつつ読めないと時間切れになってしまうかもしれない。
上野丘や舞鶴を目指している中3生は、今の時点で7割以上を目指してほしい。
大問1 語句・対話問題
問1 漢字①
特に難しいものもないため、全問正解しておきたい。
(1)提供
(2)委ねる
(3)漂う(ただよう)
(4)眺望(ちょうぼう)
問2 漢字②
正解がわかるだけでなく、ほかの選択肢も書けるようにしておきたい。
(1)交差
ア.降車 イ.親交 ウ.寄港 エ.嗜好(嗜は難しいが、嗜好の意味が取れていれば答えられる)
(2)納める
ア.収める イ.修めた ウ.治まる エ.納めに
問3 話し合いの一部からの読み取り
(1)Aさんの発言を受けたあとのBさんの発言予測
Aさんの発言は「趣味がスケートボード」→「スケートボードができるめじろん公園を選んだ」という流れ
これに対しBさんは「Aさんがめじろん公園を紹介する理由を明確に」というような発言をしている。
よって、Aさんの発言の流れを汲んで、答えは「エ」
(2)Dさんの発言で適当なもの
ア…特に問題のない内容
イ…直前の意見に反対していないので×
ウ…異なる部分の指摘は行っていないので×
エ…変更のアドバイスをしているため×
よって答えは「ア」
比較的誤答の多い設問と思われるが、このタイプの問題は消去法で丁寧に確認していきたい。
大問2 小説読解
髙田郁「星の教室」から
問1 品詞の精査
「いわゆる」は、名詞(体言)の前に置かれ、名詞を修飾するはたらきのある連体詞。活用がないこともポイント。
ア…副詞
イ…連体詞
ウ…形容詞
エ…副詞
よって答えは「イ」
特に連体詞と形容詞の違いは混乱するポイントなので、しっかり確認しておきたい。
連体詞:名詞(体言)を修飾し、活用がない。(例:大きな、いろんな)
形容詞:言い切りが「~い」で終わり、活用がある。(例:大きい、赤い)
また、活用しないという点で連体詞と副詞で混乱することの無いよう、副詞についても押さえておきたい。
副詞:用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾し、活用がない。(例:ゆっくり、とても)
問2 心情把握
本文を読み進めていくと、蕗子が江口先生にさやかを紹介するシーンが出てくる。その際のやりとりで、蕗子はさやかのことを、フェンスにかじりついて授業を見ていた人物として認識していたことがわかる。
よって答えは「エ」となる。
本文中の単語が選択肢に多く含まれているが、内容が理解できていれば難しい問題ではないので確実に正解したい。
問3 本文中の描写の考察
(1)序盤のさやかの心情
Xを見てみると、校舎を「聳(そび)え立つ」と表現している。
ここから、中学校に通うことができなかったさやかが、学校や校舎に対してネガティブな感情を持っていることが推測できる。
ネガティブな表現をしている箇所を探すと、答えとなる
「ためらいや恐怖やひるむ気持ち」
が見つかる。
(2)中盤のさやかの心情
Yを見てみると、校舎全体が「淡く輝いて見える」と表現している。
Xの表現と比較すると、さやかにとってネガティブなイメージであった校舎がポジティブなイメージに変化しつつあることが読み取れる。
よって答えは「ア」
問4 本文考察
(1)蕗子の様子について、自身の辛い過去を話しているが、「哀しげに微笑む」の部分に特に注目したい。ここから、蕗子の心情に一番近いものを選択肢から探せば正解できる。
答えは「イ」
(2)「校門を潜る勇気がなかった」、「最初の一歩を踏み出すまでに3年かかってしまった」あたりの描写に注目したい。蕗子はさやかに勇気を持って一歩踏み出してほしいを思っていることがわかる。解答を作る際に「人物のセリフをうまく使って作る」という点を意識すると模範解答に近い回答が作成できる。
模範解答例
自分は校門を潜る勇気がなかったが、さやかにはその勇気をもってほしい(33文字)
問5 本文中の表現
「適当でないもの」を選ぶ問題。適当なものを選んでしまうというミスをしないよう、普段から問題文もしっかり読むよう意識付けておきましょう。
選択肢を一つずつ確認していく。会話文でないところについて、「さやかは~」と第三者目線で書かれていることに注目する。
よって答えは「エ」
大問3 論説文読解
藤井一至「土と生命の46億年史」から
問1 本文内容の要約ノートの穴埋め
(1)1段落目の内容が過不足なく取れていれば正解できる。
模範解答例
安定して安全な食物を確保する(14文字)
「安定して」のみでは部分点となってしまうので、しっかりと「安全な」という部分も入れておく。
(2)4段落目の内容から、狩猟から農業へと生活が変化したことでヒトは忙しくなったと言っている。
したがって答えには、「仕事量」のような言葉が入りそうだと予想して本文を探すようにする。
答えは「労働時間」。
(3)問題文「農業によって○○を低下させてきた」とある。
抜き出し形式の問題なので、本文中に「低下」に近いニュアンスのネガティブな表現がないか探す。
最後の段落に「消耗」という言葉があるのでその直前の19字を抜き出す。
答えは「過去の~肥沃度」となる。
問2 本文と資料からの読み取り
(1)土を回復させるための行為となる単語が入りそうという予測をつける。
誤答するならば「焼畑」などが考えられるが、発表原稿のⅩの直前で焼畑農業の説明をしていることに注目したい。「焼畑農業によって畑に○○の期間を設ける」という流れとなるため、「焼畑」が入ると説明が重複することとなり考えにくい。
よって答えは「休閑」となる。
(2)本文中にも、「栄養分の赤字収支」という表現がでてくる。赤字収支とは、入ってくるものよりも使うもののほうが多いということであり、今回の場合はそれを栄養分で考える。「栄養分の赤字収支」の前の段落を読む。具体例が多く出てくるが、栄養分の流れを端的に押さえることを意識すれば、微生物やミミズの話はカットしてもよいと判断できる。
また、どのような状態にあるか。と問われているので、「~な状態。」と答えるようにする。
模範解答例
畑から失われる栄養分の量が、岩石の風化によって補給される栄養分の量を上回っている状態。(43文字)
(3)本文からは土地を休めず消耗してきたことがわかり、資料からは焼畑の文化が途絶えそうなので後継者が求められていることがわかる。
この2つから学べる事をいかした行為をしたいと言っているので、答えは「ウ」となる。
大問4 古文の読解
問1 画数の確認
行書も特徴として、点画の省略や連続がある。
ア…点画を省略した部分がある
ウ…点画の連続があるので楷書で書く場合より画数が少なくなる
エ…点画を省略した部分がある
よって答えは「イ」
問2 返り点
書き下し文より、「月は弓に似たり」となることがわかる。
似にレ点を付けられていれば正解。
問3 詩の判別
混乱する部分なので、しっかり区別しておきたい。
五言絶句…四句から成る詩で、一句が五文字
五言律詩…八句から成る詩で、一句が五文字
七言絶句…四句から成る詩で、一句が七文字
七言律詩…八句から成る詩で、一句が七文字
よって答えは「ウ」
問4 漢詩の考察
(1)陽が残るという表現から、夕方(夕暮れ時)だと判断できる。
答え「ウ」
(2)夕方だと判断できていれば、夕焼けの情景が想像できる。
瑟瑟とは深い緑色のことである。承句は「川の半分は深い緑色に、もう半分は夕日に照らされて紅に染まっている」という意味。
瑟瑟の意味が取れずとも、夕日をイメージできていれば答えられる。
答え「紅」
(3)真珠のような露を描写しているのは、「ア」と「ウ」であるが、その後の月は弓に似たりという部分から三日月を描写している「ア」が正解となる。
(4)転句の「憐れむべし」に注目し、正確に意味が取れていれば正解できる。
ア…起承句ともにもの悲しさは書いていないので×
イ…特に問題のない内容
ウ…真珠や弓を例えとして使っているが、隠喩ではないので×
エ…「憤慨」が詩の内容と全く合わないので×
よって答えは「イ」
大問5 パンフレット作成からの読み取り 条件作文
問1 情報の精査
パンフレットの情報を確認する。自然と温泉については客観的な情報なのに対して、食べ物は主観的なことが読み取れる。(いちばんおいしいのは という表現などが顕著)
ここは一目で判断ができるので、間違えないようにしたい。
答えは「ア」
問2 文字を書く際の注意点
これも問1と同じく絶対に正解したい、簡単な問題である。
答えは「イ」
国語においては、今回の「目的に関係なく何事も~」のような断定したような選択肢は答えになりづらい。どのような場合においてもそうだと言えなければならないからである。
問3 条件作文
条件作文は、条件が守られていないと0点となってしまう。何よりも条件を守るということを意識して解答したい。
今回の条件をまとめておく。
①資料2から書体を一つ選ぶ。それがふさわしい理由と、資料1から言えることを述べる。また、書体にまつわる自身の具体的な経験を1つ書く。
②書体は必ず資料2から選ぶ。書体を示す際はⅠ~Ⅳを用いる。
③文体は常体で書く。80字以上120字以内。
④資料や数値を書くときは(例)の通り書く。
⑤本文を一行目の一マス目から書き始め、行は改めない。
選んだフォントを、「行書体」のように書いてしまっていないだろうか。また、資料や数値を(例)のとおりかけているだろうか。きちんと常体で書けているだろうか。
書体にまつわる自身の具体的な経験を入れるという部分が難しいと感じるかもしれないが、資料1の「使用が多い場面例」の表現を参考にして、実体験として用いて記述すれば問題ない。
模範解答例
Ⅱを用いるのが良い。このパンフレットを多くの人に見てもらいたいので、文章中の強調したい部分に使われることが多いⅡは目的と合う。また、以前他のパンフレットを作成した際、表紙は太い文字のほうがわかりやすかったのでⅡを選択する。(111文字)
条件が複雑なため、そこに注力して意見がまとまらないということになりかねない。自分の言いたいことを論理的に説明する力が求められる。
